就労継続支援A型B型の違いがわからない方向け!給料や仕事内容を比較してどちらが向いているか判断できるポイントを解説

https://okabase.com/the-difference-between-type-b-and-type-a-employment-continuation-support/ 就労継続支援(A型・B型)
お子様の将来を考え「就労継続支援」という選択肢にたどり着いたものの、「A型とB型、一体何が違うの?」と、その複雑さに戸惑いを感じていらっしゃるのではないでしょうか。
大切なご家族のことだからこそ、最適な道を選んであげたいというお気持ちと、情報が多くてよく分からないという不安が入り混じっていることと思います。
この記事では、福祉の現場で多くの方の「働きたい」という思いに寄り添ってきた経験から、就労継続支援A型とB型の本質的な違い、そして、どちらがあなたやご家族にとってより良い選択となるのかを判断するためのポイントを、専門用語をできるだけ使わずに、丁寧にご説明します。
読み終える頃には、漠然とした不安が「まずは、こうしてみよう」という具体的な次の一歩に変わっているはずです。
  1. 就労継続支援A型とB型の違いを分かりやすく解説
    1. 一番の違いは雇用契約を結ぶかどうか
    2. 給料は就労継続支援A型とB型でこんなに違う
    3. 対象となる人はA型B型でそれぞれどんな人か
  2. 就労継続支援A型とB型の違いから考えるどちらがあなたに向いているか
    1. 安定した収入と一般就労を目指す人向けの就労継続支援A型
    2. 自分のペースで訓練から始めたい人向けの就労継続支援B型
    3. 仕事はどっちがきつい?A型とB型の作業内容と環境
  3. 就労継続支援A型とB型の違いを知った上で注意したいデメリット
    1. 就労継続支援A型を利用する前に知っておきたいデメリット
    2. 就労継続支援B型を利用する前に知っておきたいデメリット
    3. 一般企業への就職を目指すなら知りたい障害者雇用との違い
  4. 就労継続支援A型とB型の違いを理解したら次に行うべきこと
    1. 最初の相談は市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所へ
    2. 失敗しない事業所の見学で確認すべきポイント
    3. 申し込みから利用開始までの簡単な流れ
  5. 就労継続支援A型とB型の違いに関するよくあるご質問
    1. Q:就労継続支援A型はどんな人が通うのですか
    2. Q:就労継続支援B型はどんな人が対象ですか
    3. Q:就労支援B型の工賃はなぜ安いのでしょうか
  6. まとめ 就労継続支援A型とB型の違いを理解してあなたに合った働き方を見つけよう

就労継続支援A型とB型の違いを分かりやすく解説

まずは、A型とB型の基本的な違いから、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。

この3つのポイントを押さえるだけで、頭の中がスッキリ整理されますよ。

  • 一番の違いは雇用契約を結ぶかどうか
  • 給料は就労継続支援A型とB型でこんなに違う
  • 対象となる人はA型B型でそれぞれどんな人か

一番の違いは雇用契約を結ぶかどうか

「A型とB型、いろいろな情報があるけど、結局一番の違いって何なの?」

きっと多くの方が、まずそう思われますよね。

たくさんの違いがありますが、全ての根っこにあるたった一つの、そして最も大切なポイントが「事業所と雇用契約を結ぶかどうか」なんです。

就労継続支援A型は、事業所と利用者さんが雇用契約を結ぶ「雇用型」の福祉サービスです。

これは、一般の会社で働くのと同じように、労働者として雇用される、ということです。

一方、就労継続支援B型は、雇用契約を結びません。

こちらは「非雇用型」と呼ばれ、働くための訓練やリハビリといった側面が強く、ご自身の体調やペースに合わせて通うことができます。

この「雇用契約があるかないか」という点が、この後お話しするお給料や対象となる方、仕事の内容まで、全てのことに繋がっていきます。

まずは「A型は雇用あり、B型は雇用なし

これだけを、頭の片隅に置いて読み進めてみてください。

給料は就労継続支援A型とB型でこんなに違う

働く上で、収入のことはとても大切なことですよね。

先ほどの「雇用契約の有無」が、ここにも大きく関係してきます。

A型事業所では、雇用契約を結ぶため、労働基準法に基づいた「お給料」が支払われます。

これは、国が定めた最低賃金がきちんと保証される、ということです。

厚生労働省の発表(令和4年度)では、平均月給は83,594円。安定した収入が見込めるのは、ご本人やご家族にとっても大きな安心材料になりますよね。

一方、B型事業所では「お給料」ではなく「工賃(こうちん)」という形で、作業への対価が支払われます。

こちらは雇用契約がないため、残念ながら最低賃金の保証はありません。同じ調査での平均工賃は、月額17,631円です。

参考:厚生労働省|令和5年度工賃(賃金)の実績について

「ずいぶん差があるな」と感じられたかもしれません。

でもこれは、B型が「稼ぐこと」だけを目的としているわけではないからです。

日中の活動の場として、あるいは社会参加への第一歩としての「訓練の場」という大切な役割も担っているんです。

対象となる人はA型B型でそれぞれどんな人か

A型事業所は、原則として18歳以上65歳未満の方で、「すぐに一般企業で働くのは少し難しいけれど、サポートがあれば、責任をもって継続的に働ける」という方が対象になります。

安定して働きたい、という意欲のある方が多く利用されています。

それに対してB型事業所は、年齢の制限がありません。

「体力的に、毎日働くのはまだ不安」「まずは自分のペースで、短時間から社会に慣れていきたい」といった方が、ご自身の状態に合わせて利用されています。

週に1日から、1日に1時間だけ、といった通い方ができる事業所もたくさんありますよ。

就労継続支援A型とB型の違いから考えるどちらがあなたに向いているか

「じゃあ、うちはどちらが合っているの?」という、一番知りたい部分に踏み込んでいきましょう。

ご本人やご家族の「今」の状況と、「これから」の希望を思い浮かべながら、読み進めてみてください。

  • 安定した収入と一般就労を目指す人向けの就労継続支援A型
  • 自分のペースで訓練から始めたい人向けの就労継続支援B型
  • 仕事はどっちがきつい?A型とB型の作業内容と環境

安定した収入と一般就労を目指す人向けの就労継続支援A型

もし、あなたやご家族が、

「安定した収入で、少しでも家計の助けになりたい」

「いつかは、一般の会社で働くことを目標にしたい」

そう考えているのであれば、A型事業所が選択肢の中心になるでしょう。

A型での経験は、履歴書に「職歴」として書くことができます。

決まった時間に出勤し、任された仕事をやり遂げる。

この経験は、社会人としての大きな自信につながります。

もちろん、時には責任の重さを感じることもあるかもしれません。

でも、その一つひとつが、ご本人を大きく成長させてくれるんです。

福祉のサポートが整った環境で、一般就労へのステップアップを目指せるのがA型の魅力です。

自分のペースで訓練から始めたい人向けの就労継続支援B型

「長い間、家にいる生活が続いていたから、まずは外に出る練習から…」

「体調に波があるから、無理なく始められる場所はないかしら…」

そんな風に、少しゆっくりとしたスタートを考えているなら、B型事業所がぴったりです。

B型の何よりの魅力は、その「柔軟さ」にあります。

ご本人の「やってみたい」という気持ちと、その日の体調を大切にしながら、通う日数や時間を調整できる。

これは、ご本人にとっても、見守るご家族にとっても、大きな安心ですよね。

簡単な作業を通して「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、次の一歩を踏み出すための、何よりのエネルギーになります。

B型は、自信を取り戻し、自分のペースを取り戻すための大切な場所なんです。

参考:就労継続支援B型とは?仕事内容から工賃、A型との違いも分かりやすく解説

仕事はどっちがきつい?A型とB型の作業内容と環境

「実際のところ、仕事はどっちの方が大変なんですか?」

面談や見学の際に、保護者の方から一番よく聞かれる質問かもしれません。

これは一概には言えませんが、やはり傾向はあります。

A型は、パソコンでのデータ入力や、カフェでの接客、企業の事務作業のお手伝いなど、より一般の仕事に近い内容が多くなります。

雇用されている、という意識を持って、仕事仲間と協力しながら進めていくイメージです。

B型は、パンやお菓子作り、部品の組み立て、農作業といった、比較的自分のペースで進めやすい軽作業が多いです。

もちろん集中力は必要ですが、ノルマに追われるというよりは、一つひとつの作業に丁寧に取り組むことを大切にしています。

ただ、これは本当に事業所によって様々です。

だからこそ、気になる事業所が見つかったら、ぜひ一度見学に行って、実際の作業の様子や雰囲気を肌で感じてみてください。

就労継続支援A型とB型の違いを知った上で注意したいデメリット

良い面だけでなく、事前に知っておくことで心構えができる「少し大変な部分」についてもお話ししておきますね。

これは、どちらが悪いということではなく、制度の特性としてご理解いただけると嬉しいです。

就労継続支援A型を利用する前に知っておきたいデメリット

A型は雇用契約を結ぶため、やはり一定の「責任」が伴います。

決まった時間に出勤すること、任された仕事はきちんとやり遂げること。

こうした日々の積み重ねが、体調の波が大きい方にとっては、プレッシャーになってしまう可能性はあります。

また、A型は定員が限られているため、希望してもすぐに入れない、というケースがあることも知っておくと良いでしょう。

就労継続支援B型を利用する前に知っておきたいデメリット

B型のデメリットは、やはり工賃だけでは経済的に自立するのが難しい、という点にあります。

多くの方が、障害年金などと組み合わせて生活されています。

もし「しっかり稼ぐこと」を一番の目的にしてしまうと、「こんなはずじゃなかった…」と感じてしまうかもしれません。

B型はあくまで、次のステップに進むための「訓練の場」という側面も大きいことを、心に留めておいてくださいね。

一般企業への就職を目指すなら知りたい障害者雇用との違い

「A型と、会社の障害者雇用って何が違うの?」というのも、よくあるご質問です。

どちらも雇用契約を結びますが、一番の違いは「環境」です。

A型は、福祉の専門スタッフが常にそばにいてサポートしてくれる「福祉サービス」です。

一方、障害者雇用は、利益を追求する一般企業で働く「一般就労」です。

もちろん、障害への配慮はありますが、基本的には他の社員と同じように成果を求められます。

A型でしっかりと準備をして、自信をつけてから障害者雇用にチャレンジする、という方もたくさんいらっしゃいますよ。

就労継続支援A型とB型の違いを理解したら次に行うべきこと

さて、ここまで読んでいただき、A型とB型の違いがかなり具体的になったのではないでしょうか。
違いがわかったら、次はいよいよ行動です。

「どこに相談すればいいの?」という不安を解消しますね。

  • 最初の相談は市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所へ
  • 失敗しない事業所の見学で確認すべきポイント
  • 申し込みから利用開始までの簡単な流れ

最初の相談は市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所へ

「よし、相談してみよう!」と思ったら、まず向かうべき場所が2つあります。

一つは、お住まいの市区町村の「障害福祉窓口」。

そしてもう一つが、「相談支援事業所」という専門機関です。

「相談支援事業所」は、福祉のプロである相談員さんが、あなたに合ったサービスを一緒に考え、事業所探しまで中立的な立場でサポートしてくれる、とても頼りになる存在です。

もし、どこに行けば良いか迷ったら、まずは役所の窓口で「就労継続支援のことで相談したいのですが」と尋ねてみてください。きっと、優しく案内してくれますよ。

受給者証について知りたい方は、「受給者証について」をご覧下さい。

失敗しない事業所の見学で確認すべきポイント

気になる事業所が見つかったら、契約する前に、必ず見学に行きましょう。

その時に、ぜひチェックしてほしいポイントが3つあります。

1. 事業所の雰囲気はどうか(明るいか、落ち着いているかなど)
2. スタッフさんはどんな風に利用者さんと接しているか
3. 実際にやっている仕事は、自分に合っていそうか

パンフレットだけでは分からない、こうした「空気感」が、実は一番大切だったりします。

ご本人が「ここなら、通ってみたいかも」と、少しでも前向きに感じられるかどうかを、大切にしてあげてください。

申し込みから利用開始までの簡単な流れ

利用までの流れを、簡単にご説明しますね。

相談 → 見学・体験 → 利用の申請 → 計画案の作成 → 受給者証の交付 → 事業所と契約 → 利用スタート!

少し手続きが多くて大変に感じるかもしれませんが、一つひとつ相談員さんがサポートしてくれますので、心配いりません。

安心して、お任せしてください。

就労継続支援A型とB型の違いに関するよくあるご質問

最後に、これまでお話ししきれなかった、よくあるご質問にお答えする形で、さらに理解を深めていきましょう。

  • Q:就労継続支援A型はどんな人が通うのですか
  • Q:就労継続支援B型はどんな人が対象ですか
  • Q:就労支援B型の工賃はなぜ安いのでしょうか

Q:就労継続支援A型はどんな人が通うのですか

A:例えば、対人関係を築くのは少し苦手だけれど、パソコンのスキルはとても高い方。

あるいは、新しいことを覚えるのはゆっくりだけれど、一度覚えたことは誰よりも丁寧に、正確にこなせる方。

そんな風に、素晴らしい力を持っているのに、一般企業ではその力を発揮しきれなかった方々が、手厚いサポートを受けながら、自信を持って働いています。

Q:就労継続支援B型はどんな人が対象ですか

A:特別支援学校を卒業して、初めて社会に出る第一歩として利用される若い方。あるいは、長年社会で働いてきたけれど、病気や年齢を重ねたことで、少しペースを落として働きたいと考えている方。

B型には、本当に様々な年齢や背景を持った方がいらっしゃいます。

共通しているのは「自分のペースで、社会とつながっていたい」という思いです。

Q:就労支援B型の工賃はなぜ安いのでしょうか

A:B型が雇用契約を結ばない「非雇用型」のサービスだからです。

お支払いするのは、最低賃金が保証された「お給料」ではなく、みんなで頑張って生み出した利益を分配する「工賃」です。

そのため、どうしても金額としては低くなってしまいます。

B型には、「収入」と同じくらい、「訓練」や「居場所」という、お金には代えがたい大切な価値があるんです。

まとめ 就労継続支援A型とB型の違いを理解してあなたに合った働き方を見つけよう

A型とB型、どちらが優れているか、ということでは決してない、ということです。

安定した収入や一般就労を目標にするならA型。

ご自身のペースで、社会参加への大切な一歩を踏み出したいならB型。

「今の、ご本人にとって、どちらが無理なく、安心して続けられるか」

その視点さえ忘れなければ、きっと最適な道が見つかるはずです。

この記事が、あなたの心の中にある不安を少しでも和らげ、未来に向けた希望ある一歩を踏み出すきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。

ここまで読んでいただき、A型とB型の違いはクリアになったかもしれません。

しかし、きっと今、あなたの心の中には、こんな新たな問いが生まれているのではないでしょうか。

「理論はわかったけれど、じゃあ具体的に、うちの子に合う事業所ってどこにあるんだろう?
「パソコンが好きみたいだけど、それを活かせる場所なんて本当にあるの…?」

その不安、そして、お子様の可能性を信じるそのお気持ちに、私たち「岡BASE ピーシーラボ」は寄り添いたいと考えています。

私たちは、愛知県岡崎市にある、「好き」を「仕事のスキル」に変える、少しユニークな就労継続支援B型事業所です。

「うちの子は、人付き合いが苦手で…」
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大丈夫です。

一人ひとりの「得意」も「苦手」も、全てその人の大切な個性だと考えています。

まずは、見学・体験という形で、事業所の温かい雰囲気や、利用者さんたちが楽しそうにパソコンに向かう姿を、あなた自身の目で確かめてみませんか?

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あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。

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川崎勝美

岡BASE ピーシーラボでサービス管理責任者をしております、川崎 勝美です。2016年福祉事業所入職後、B型事業所の職業指導員として就労支援に従事。製菓担当としてHACCP準拠の衛生管理体制構築、主査として職員統括や生活介護事業所併設に貢献。2021年地元岡崎市へ。就労移行、グループホーム、A型事業所での新規開設、人材育成、基盤構築に尽力。2024年サービス管理責任者(実践研修)修了後、現職。現在は株式会社トカクにて、地域に根差した支援を通じ、人々の「やりたい」を未来へ繋げるサービス管理責任者を務める。

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