就労継続支援A型とB型の違いを分かりやすく解説
まずは、A型とB型の基本的な違いから、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。
この3つのポイントを押さえるだけで、頭の中がスッキリ整理されますよ。
- 一番の違いは雇用契約を結ぶかどうか
- 給料は就労継続支援A型とB型でこんなに違う
- 対象となる人はA型B型でそれぞれどんな人か
一番の違いは雇用契約を結ぶかどうか
「A型とB型、いろいろな情報があるけど、結局一番の違いって何なの?」
きっと多くの方が、まずそう思われますよね。
たくさんの違いがありますが、全ての根っこにあるたった一つの、そして最も大切なポイントが「事業所と雇用契約を結ぶかどうか」なんです。
就労継続支援A型は、事業所と利用者さんが雇用契約を結ぶ「雇用型」の福祉サービスです。
これは、一般の会社で働くのと同じように、労働者として雇用される、ということです。
一方、就労継続支援B型は、雇用契約を結びません。
こちらは「非雇用型」と呼ばれ、働くための訓練やリハビリといった側面が強く、ご自身の体調やペースに合わせて通うことができます。
この「雇用契約があるかないか」という点が、この後お話しするお給料や対象となる方、仕事の内容まで、全てのことに繋がっていきます。
まずは「A型は雇用あり、B型は雇用なし」
これだけを、頭の片隅に置いて読み進めてみてください。
給料は就労継続支援A型とB型でこんなに違う
働く上で、収入のことはとても大切なことですよね。
先ほどの「雇用契約の有無」が、ここにも大きく関係してきます。
A型事業所では、雇用契約を結ぶため、労働基準法に基づいた「お給料」が支払われます。
これは、国が定めた最低賃金がきちんと保証される、ということです。
厚生労働省の発表(令和4年度)では、平均月給は83,594円。安定した収入が見込めるのは、ご本人やご家族にとっても大きな安心材料になりますよね。
一方、B型事業所では「お給料」ではなく「工賃(こうちん)」という形で、作業への対価が支払われます。
こちらは雇用契約がないため、残念ながら最低賃金の保証はありません。同じ調査での平均工賃は、月額17,631円です。
「ずいぶん差があるな」と感じられたかもしれません。
でもこれは、B型が「稼ぐこと」だけを目的としているわけではないからです。
日中の活動の場として、あるいは社会参加への第一歩としての「訓練の場」という大切な役割も担っているんです。
対象となる人はA型B型でそれぞれどんな人か
A型事業所は、原則として18歳以上65歳未満の方で、「すぐに一般企業で働くのは少し難しいけれど、サポートがあれば、責任をもって継続的に働ける」という方が対象になります。
安定して働きたい、という意欲のある方が多く利用されています。
それに対してB型事業所は、年齢の制限がありません。
「体力的に、毎日働くのはまだ不安」「まずは自分のペースで、短時間から社会に慣れていきたい」といった方が、ご自身の状態に合わせて利用されています。
週に1日から、1日に1時間だけ、といった通い方ができる事業所もたくさんありますよ。
就労継続支援A型とB型の違いから考えるどちらがあなたに向いているか
「じゃあ、うちはどちらが合っているの?」という、一番知りたい部分に踏み込んでいきましょう。
ご本人やご家族の「今」の状況と、「これから」の希望を思い浮かべながら、読み進めてみてください。
- 安定した収入と一般就労を目指す人向けの就労継続支援A型
- 自分のペースで訓練から始めたい人向けの就労継続支援B型
- 仕事はどっちがきつい?A型とB型の作業内容と環境
安定した収入と一般就労を目指す人向けの就労継続支援A型
もし、あなたやご家族が、
「安定した収入で、少しでも家計の助けになりたい」
「いつかは、一般の会社で働くことを目標にしたい」
そう考えているのであれば、A型事業所が選択肢の中心になるでしょう。
A型での経験は、履歴書に「職歴」として書くことができます。
決まった時間に出勤し、任された仕事をやり遂げる。
この経験は、社会人としての大きな自信につながります。
もちろん、時には責任の重さを感じることもあるかもしれません。
でも、その一つひとつが、ご本人を大きく成長させてくれるんです。
福祉のサポートが整った環境で、一般就労へのステップアップを目指せるのがA型の魅力です。
自分のペースで訓練から始めたい人向けの就労継続支援B型
「長い間、家にいる生活が続いていたから、まずは外に出る練習から…」
「体調に波があるから、無理なく始められる場所はないかしら…」
そんな風に、少しゆっくりとしたスタートを考えているなら、B型事業所がぴったりです。
B型の何よりの魅力は、その「柔軟さ」にあります。
ご本人の「やってみたい」という気持ちと、その日の体調を大切にしながら、通う日数や時間を調整できる。
これは、ご本人にとっても、見守るご家族にとっても、大きな安心ですよね。
簡単な作業を通して「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、次の一歩を踏み出すための、何よりのエネルギーになります。
B型は、自信を取り戻し、自分のペースを取り戻すための大切な場所なんです。
参考:就労継続支援B型とは?仕事内容から工賃、A型との違いも分かりやすく解説
仕事はどっちがきつい?A型とB型の作業内容と環境
「実際のところ、仕事はどっちの方が大変なんですか?」
面談や見学の際に、保護者の方から一番よく聞かれる質問かもしれません。
これは一概には言えませんが、やはり傾向はあります。
A型は、パソコンでのデータ入力や、カフェでの接客、企業の事務作業のお手伝いなど、より一般の仕事に近い内容が多くなります。
雇用されている、という意識を持って、仕事仲間と協力しながら進めていくイメージです。
B型は、パンやお菓子作り、部品の組み立て、農作業といった、比較的自分のペースで進めやすい軽作業が多いです。
もちろん集中力は必要ですが、ノルマに追われるというよりは、一つひとつの作業に丁寧に取り組むことを大切にしています。
ただ、これは本当に事業所によって様々です。
だからこそ、気になる事業所が見つかったら、ぜひ一度見学に行って、実際の作業の様子や雰囲気を肌で感じてみてください。
就労継続支援A型とB型の違いを知った上で注意したいデメリット
良い面だけでなく、事前に知っておくことで心構えができる「少し大変な部分」についてもお話ししておきますね。
これは、どちらが悪いということではなく、制度の特性としてご理解いただけると嬉しいです。
就労継続支援A型を利用する前に知っておきたいデメリット
A型は雇用契約を結ぶため、やはり一定の「責任」が伴います。
決まった時間に出勤すること、任された仕事はきちんとやり遂げること。
こうした日々の積み重ねが、体調の波が大きい方にとっては、プレッシャーになってしまう可能性はあります。
また、A型は定員が限られているため、希望してもすぐに入れない、というケースがあることも知っておくと良いでしょう。
就労継続支援B型を利用する前に知っておきたいデメリット
B型のデメリットは、やはり工賃だけでは経済的に自立するのが難しい、という点にあります。
多くの方が、障害年金などと組み合わせて生活されています。
もし「しっかり稼ぐこと」を一番の目的にしてしまうと、「こんなはずじゃなかった…」と感じてしまうかもしれません。
B型はあくまで、次のステップに進むための「訓練の場」という側面も大きいことを、心に留めておいてくださいね。
一般企業への就職を目指すなら知りたい障害者雇用との違い
「A型と、会社の障害者雇用って何が違うの?」というのも、よくあるご質問です。
どちらも雇用契約を結びますが、一番の違いは「環境」です。
A型は、福祉の専門スタッフが常にそばにいてサポートしてくれる「福祉サービス」です。
一方、障害者雇用は、利益を追求する一般企業で働く「一般就労」です。
もちろん、障害への配慮はありますが、基本的には他の社員と同じように成果を求められます。
A型でしっかりと準備をして、自信をつけてから障害者雇用にチャレンジする、という方もたくさんいらっしゃいますよ。
就労継続支援A型とB型の違いを理解したら次に行うべきこと
さて、ここまで読んでいただき、A型とB型の違いがかなり具体的になったのではないでしょうか。
違いがわかったら、次はいよいよ行動です。
「どこに相談すればいいの?」という不安を解消しますね。
- 最初の相談は市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所へ
- 失敗しない事業所の見学で確認すべきポイント
- 申し込みから利用開始までの簡単な流れ
最初の相談は市区町村の障害福祉窓口か相談支援事業所へ
「よし、相談してみよう!」と思ったら、まず向かうべき場所が2つあります。
一つは、お住まいの市区町村の「障害福祉窓口」。
そしてもう一つが、「相談支援事業所」という専門機関です。
「相談支援事業所」は、福祉のプロである相談員さんが、あなたに合ったサービスを一緒に考え、事業所探しまで中立的な立場でサポートしてくれる、とても頼りになる存在です。
もし、どこに行けば良いか迷ったら、まずは役所の窓口で「就労継続支援のことで相談したいのですが」と尋ねてみてください。きっと、優しく案内してくれますよ。
受給者証について知りたい方は、「受給者証について」をご覧下さい。
失敗しない事業所の見学で確認すべきポイント
気になる事業所が見つかったら、契約する前に、必ず見学に行きましょう。
その時に、ぜひチェックしてほしいポイントが3つあります。
1. 事業所の雰囲気はどうか(明るいか、落ち着いているかなど)
2. スタッフさんはどんな風に利用者さんと接しているか
3. 実際にやっている仕事は、自分に合っていそうか
パンフレットだけでは分からない、こうした「空気感」が、実は一番大切だったりします。
ご本人が「ここなら、通ってみたいかも」と、少しでも前向きに感じられるかどうかを、大切にしてあげてください。
申し込みから利用開始までの簡単な流れ
利用までの流れを、簡単にご説明しますね。
相談 → 見学・体験 → 利用の申請 → 計画案の作成 → 受給者証の交付 → 事業所と契約 → 利用スタート!
少し手続きが多くて大変に感じるかもしれませんが、一つひとつ相談員さんがサポートしてくれますので、心配いりません。
安心して、お任せしてください。
就労継続支援A型とB型の違いに関するよくあるご質問
最後に、これまでお話ししきれなかった、よくあるご質問にお答えする形で、さらに理解を深めていきましょう。
- Q:就労継続支援A型はどんな人が通うのですか
- Q:就労継続支援B型はどんな人が対象ですか
- Q:就労支援B型の工賃はなぜ安いのでしょうか
Q:就労継続支援A型はどんな人が通うのですか
A:例えば、対人関係を築くのは少し苦手だけれど、パソコンのスキルはとても高い方。
あるいは、新しいことを覚えるのはゆっくりだけれど、一度覚えたことは誰よりも丁寧に、正確にこなせる方。
そんな風に、素晴らしい力を持っているのに、一般企業ではその力を発揮しきれなかった方々が、手厚いサポートを受けながら、自信を持って働いています。
Q:就労継続支援B型はどんな人が対象ですか
A:特別支援学校を卒業して、初めて社会に出る第一歩として利用される若い方。あるいは、長年社会で働いてきたけれど、病気や年齢を重ねたことで、少しペースを落として働きたいと考えている方。
B型には、本当に様々な年齢や背景を持った方がいらっしゃいます。
共通しているのは「自分のペースで、社会とつながっていたい」という思いです。
Q:就労支援B型の工賃はなぜ安いのでしょうか
A:B型が雇用契約を結ばない「非雇用型」のサービスだからです。
お支払いするのは、最低賃金が保証された「お給料」ではなく、みんなで頑張って生み出した利益を分配する「工賃」です。
そのため、どうしても金額としては低くなってしまいます。
B型には、「収入」と同じくらい、「訓練」や「居場所」という、お金には代えがたい大切な価値があるんです。
まとめ 就労継続支援A型とB型の違いを理解してあなたに合った働き方を見つけよう
A型とB型、どちらが優れているか、ということでは決してない、ということです。
安定した収入や一般就労を目標にするならA型。
ご自身のペースで、社会参加への大切な一歩を踏み出したいならB型。
「今の、ご本人にとって、どちらが無理なく、安心して続けられるか」
その視点さえ忘れなければ、きっと最適な道が見つかるはずです。
この記事が、あなたの心の中にある不安を少しでも和らげ、未来に向けた希望ある一歩を踏み出すきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。
ここまで読んでいただき、A型とB型の違いはクリアになったかもしれません。
しかし、きっと今、あなたの心の中には、こんな新たな問いが生まれているのではないでしょうか。
「理論はわかったけれど、じゃあ具体的に、うちの子に合う事業所ってどこにあるんだろう?」
「パソコンが好きみたいだけど、それを活かせる場所なんて本当にあるの…?」
その不安、そして、お子様の可能性を信じるそのお気持ちに、私たち「岡BASE ピーシーラボ」は寄り添いたいと考えています。
私たちは、愛知県岡崎市にある、「好き」を「仕事のスキル」に変える、少しユニークな就労継続支援B型事業所です。
「うちの子は、人付き合いが苦手で…」
「集中力が続くか心配で…」
大丈夫です。
一人ひとりの「得意」も「苦手」も、全てその人の大切な個性だと考えています。
まずは、見学・体験という形で、事業所の温かい雰囲気や、利用者さんたちが楽しそうにパソコンに向かう姿を、あなた自身の目で確かめてみませんか?
無理な勧誘などは一切いたしません。まずはお話を聞かせていただくだけで、きっとあなたの心のもやもやが晴れるはずです。
お子様の秘めた可能性が花開く、その「最初の一歩」を、これ以上先延ばしにする必要はありません。
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