「就労継続支援B型って、一体どんな人が利用しているんだろう?」
「息子は就労経験もないし、体力にも自信がないけれど、通える場所なんてあるのだろうか?」
「そもそも、自分が対象になるのかすら、よくわからない…」
この記事は、今まさにそんな疑問や不安のなかにいる、あなたのために書きました。
福祉の現場でサービス管理責任者として、これまで本当にたくさんの方々の「働く」に関するお悩みと向き合ってきました。
その経験から言えるのは、就労継続支援B型は、決して特別な人のための場所ではない、ということです。
むしろ、障害や病気などを理由に、働くことへの一歩を踏み出すことに難しさを感じている方々が、ご自身のペースという「自分だけのものさし」を大切にしながら、社会とのつながりを取り戻していくための、温かい出発点のような場所なんです。
この記事を最後までゆっくりと読んでいただければ、「どんな人」がB型事業所を利用しているのかが具体的にイメージでき、あなたや、あなたの大切なご家族が、安心して次の一歩を踏み出すためのヒントがきっと見つかるはずです。
厚生労働省が定める就労継続支援B型の対象となる人
まずは、少しだけ硬い話になりますが、国(厚生労働省)が定めている公式なルールについてご説明しますね。
「自分は当てはまるのかな?」と、ご自身の状況と照らし合わせながら読んでみてください。
- 就労経験はあるが年齢や体力で一般就労が困難な人
- 50歳以上の人または障害基礎年金1級を受給している人
- 上記の条件に当てはまらなくても利用できる場合があります
就労経験はあるが年齢や体力で一般就労が困難な人
「若い頃はバリバリ働いていたんだけど、病気をしてから体力が落ちてしまって…」
「年齢を重ねて、以前と同じペースで働くのは正直しんどいな…」
現場では、そんなお話を伺います。
過去に企業などで働いた経験があり、働く意欲もスキルもある。
けれども、年齢や体力の変化、あるいは病気や障害によって、以前と同じように一般企業で働くことが難しくなった方。
こうした方々が、長年培ってきた経験を活かしながら、ご自身のペースで再び「働く喜び」を見つける場として、B型事業所は大切な役割を担っています。
50歳以上の人または障害基礎年金1級を受給している人
「50歳以上の人または障害基礎年金1級を受給している人」は、年齢や障害の程度が利用の一つの目安となるケースです。
具体的には、50歳以上の方や、障害の程度が重いとされる障害基礎年金の1級を受給されている方が対象となります。
社会に出て何か役割を持ちたいという意欲がありながらも、年齢や障害の状況から、より丁寧で手厚いサポートを必要とする方々が、安心して自分の居場所を見つけられるように、こうした基準が設けられているのです。
上記の条件に当てはまらなくても利用できる場合があります
「紹介された条件、どれにも当てはまらないみたい…」
そう思われた方も、で諦めないでください。
- 就労経験はあるが年齢や体力で一般就労が困難な人
- 50歳以上の人または障害基礎年金1級を受給している人
上記の条件はあくまで国が定めた原則であり、最終的に利用できるかどうかは、お住まいの市区町村が、専門家の意見などを聞きながら、一人ひとりの状況を丁寧に見て判断します。
例えば、障害者手帳をお持ちでない方でも、医師の「この方にはB型の支援が必要です」という意見書(診断書)があれば、利用が認められるケースは本当にたくさんあります。
大切なのは、「自分は対象じゃない」と一人で決めつけてしまわないこと。
「こんな私でも、利用できる可能性はありますか?」と、まずは相談の窓口を訪ねてみること。
「障害福祉サービス受給者証」の取得でお困りの方は、私たちがお手伝いします。
「受給者証について」をご覧ください。
【不安解消】こんな悩みを持つ人が就労継続支援B型を利用しています
さて、ここからは制度の話から少し離れて、もっと身近な視点でお話ししたいと思います。
福祉の現場で日々、利用者さんと接していると、「制度の対象者」という言葉だけでは括れない、一人ひとりの切実な悩みや不安に触れる機会がたくさんあります。
ここでは、実際にB型事業所には「どんな悩み」を抱えた仲間たちが通っているのか、具体的な事例をいくつかご紹介しますね。
- 就労経験がない人や仕事のブランクが長い人
- 精神障害やうつ病など体調に波があり毎日通うのが難しい人
- 自分のペースで無理なく働きたいと考えている人
- 対人関係が苦手でコミュニケーションに不安がある人
就労経験がない人や仕事のブランクが長い人
「これまで一度も働いたことがなくて、社会に出るのが怖いんです」
「学校を卒業してから、もう何年も家にいるので、今さら何ができるか…」
B型事業所の見学に来られる方から、最も多く聞くお悩みのひとつです。
就労経験がないことや、ブランクが長いことは、全くハンデになりません。
なぜなら、B型事業所は、まさにそうした方々が「働くための練習」をする場所だからです。
- 簡単な作業から自分のペースで始められる
- 職員が隣で一つひとつ丁寧にやり方を教える
- 失敗しても大丈夫、周りと比べる必要はない
自分のペースで「できた!」という小さな成功体験を積み重ねていくことで、「自分もやればできるんだ」という自信を育んでいく。
そのための場所が、B型事業所なんです。
精神障害やうつ病など体調に波があり毎日通うのが難しい人
「朝、どうしても起き上がれない日があるんです…」
「調子の良い日と悪い日の差が激しくて、毎日通う約束ができない…」
精神障害やうつ病などを抱えている方にとって、「毎日、決まった時間に出勤する」というルールは、想像以上に大きなプレッシャーになりますよね。
B型事業所の最大の強みは、その「柔軟さ」にあります。
事業所とは雇用契約を結ばないため、「必ず週5日来てください」といった強制は一切ありません。
- 「まずは、週に1日から」という始め方ができる
- 「今日は午前中だけ」といった短時間利用も可能
- その日の心と体の状態を最優先できる
「行かなきゃ」ではなく、「行ける時に行ってみよう」と思える。
その安心感が、結果的に安定した通所につながっていきます。
自分のペースで無理なく働きたいと考えている人
「会社のノルマや、周りからの『まだ終わらないの?』という視線が辛かった」
「私は、一つのことをじっくりやらないと気が済まないんです」
一般企業では、どうしても効率やスピードが求められます。
それがプレッシャーとなり、本来の力を発揮できずに苦しんできた方も少なくありません。
B型事業所は、あなたのペースを何よりも尊重する場所です。
そこには、誰かと比べるものさしは存在しません。
昨日より少し長く作業に集中できた、先週はできなかった工程が一人でできるようになった。
穏やかな時間が流れる空間で、自分の特性と向き合いながら、心地よいと感じるペースで仕事に取り組む。
そんな毎日が、失いかけていた自己肯定感を少しずつ取り戻してくれます。
愛知県岡崎市にある、「岡BASE ピーシーラボ」の作業内容は、ノルマがありません。お近くにお住まいの方は、一度見学で見ていただけると、作業内容のイメージが湧くと思います。
対人関係が苦手でコミュニケーションに不安がある人
「人と話すのが、昔からどうしても苦手で…」
「職場での雑談や、休憩時間が苦痛だった」
働く上で、仕事内容そのものよりも、実は人間関係に一番エネルギーを消耗してしまう、という方も多いです。
B型事業所では、無理に誰かと話す必要はありません。
一人で黙々と集中できる作業もたくさん用意されています。
もちろん、私たち支援員は常にあなたのことを見守っていて、何か困ったことがあれば、いつでも話を聞く準備ができています。
不思議なもので、安心して過ごせる環境にいると、「少しだけ、あの人と話してみようかな」と思える瞬間が自然と訪れたりするものです。
挨拶を交わすだけ、同じ作業をする中で少しだけ質問してみる。
そんな小さなコミュニケーションの積み重ねが、社会とのつながりを再び結ぶ、大切なリハビリになるのです。
就労継続支援B型ではどんな仕事をするの?
「B型事業所って、具体的にどんなことをする場所なんだろう?」
これも、皆さんがとても気になるところですよね。
実は、「B型事業所の仕事はこれです!」と一言で説明するのはとても難しいんです。
なぜなら、事業所の個性や特色によって、仕事内容は本当に千差万別だからです。
ここでは、その多種多様な仕事内容のいくつかをご紹介しながら、あなたに合った仕事を見つけるヒントをお伝えしますね。
- 事業所によって様々 自分に合った仕事内容を選べる
- 無理なく始められる軽作業の例
- パソコンスキルなど専門的な仕事の例
事業所によって様々 自分に合った仕事内容を選べる
まず、一番大切なことをお伝えします。
それは、「あなた自身が、やりたい仕事、できそうな仕事を選べる」ということです。
例えば、お菓子作りが好きな人なら製菓を、自然が好きな人なら農作業を、パソコンが得意な人ならデータ入力を、といった形で、全国には様々な強みを持った事業所が存在します。
だからこそ、「どんな仕事があるんだろう?」と受け身で考えるだけでなく、「自分はどんなことに興味があるかな?」という視点で探してみることが、満足のいく事業所選びの鍵になります。
ぜひ、お住まいの地域の事業所のホームページを覗いてみてください。
きっと、あなたの「やってみたい」が見つかるはずです。
愛知県岡崎市にある、「岡BASE ピーシーラボ」の作業内容は、ノルマがありません。お近くにお住まいの方は、一度見学で見ていただけると、作業内容のイメージが湧くと思います。
無理なく始められる軽作業の例
多くの方が、B型事業所での第一歩として経験するのが、こうした軽作業です。
特別なスキルや経験は一切必要なく、一つひとつの工程を、私たち支援員があなたのペースに合わせて、できるまで何度でもお伝えします。
- 商品の袋詰め、シール貼り
- 自動車部品の簡単な組み立て、検品
- チラシのポスティング
- 施設内の清掃 など
「自分にも、できることがあるんだ」という実感を得るための、とても大切なステップです。
パソコンスキルなど専門的な仕事の例
「軽作業だけじゃなくて、何かスキルを身につけたい」
そんな向上心のある方のために、専門的なスキルが学べる事業所も近年どんどん増えています。
- 企業のデータ入力
- Webサイトの記事作成
- デザインソフトを使った画像加工
- 動画編集 など
「パソコンなんて、ほとんど触ったことがない」という方でも大丈夫。
多くの事業所では、基礎の基礎から優しく教えてくれます。
ここで身につけたスキルは、あなたの自信になるだけでなく、将来的に一般就労を目指す際の、大きな武器になるはずです。
就労継続支援B型を利用するメリット
B型事業所に通うことで、私たちの生活には、具体的にどんな良い変化が訪れるのでしょうか。
もちろん、作業をして得られる「工賃」もその一つですが、メリットは決してそれだけではありません。
ここでは、あなたの人生そのものを豊かにしてくれる、B型事業所がもたらす3つの大きな価値についてお話しします。
- 自分の体調やペースに合わせて通いながら工賃がもらえる
- 生活リズムが整い社会とのつながりができる
- 支援員に悩みや将来について相談できる
自分の体調やペースに合わせて通いながら工賃がもらえる
B型事業所での活動は、れっきとした「仕事」です。
そのため、あなたが作った製品や、提供したサービスに対して、「工賃」という形で対価が支払われます。
自分のペースで作業した分が収入になるという経験は、「社会の一員として価値を生み出している」という大きな自信につながります。
その工賃で好きなものを買ったり、趣味を楽しんだりすることは、日々の生活のハリとなるでしょう。
工賃については、「就労継続支援A型B型の違いがわからない方向け!給料や仕事内容を比較してどちらが向いているか判断できるポイントを解説」で紹介しておりますため、ご覧ください。
生活リズムが整い社会とのつながりができる
自宅で過ごす時間が長くなると、どうしても生活のリズムが不規則になりがちですよね。
「朝起きるのが辛い」「昼夜が逆転してしまった」というお悩みも、よく耳にします。
「週に数日でも、通う場所がある」
ただそれだけで、私たちの生活には自然とメリハリが生まれます。
また、事業所に通うことで、支援員や他の利用者さんとの関わりが生まれます。
それは、社会から孤立しているという孤独感を和らげ、「自分には居場所がある」という温かい安心感で、あなたの心を包んでくれるはずです。
支援員に悩みや将来について相談できる
おそらくこれが、B型事業所を利用する最大のメリットかもしれません。
それは、「一人で悩まなくてよくなる」ということです。
B型事業所には、福祉の専門知識を持った「支援員」が必ずいます。
私たちは、単に仕事のやり方を教えるだけの存在ではありません。
あなたの人生に寄り添い、一緒に未来を考えるパートナーです。
日常生活での悩み、将来への不安、挑戦してみたい目標。
どんな些細なことでも、私たちに話してください。
もう、一人で抱え込む必要はないのです。
よくある質問
ここでは、よくいただく質問について回答します。
- Q:就労継続支援B型はどんな人が通うのですか?
- Q:B型就労支援の対象者は?
- Q:就労支援B型とA型の違いは何ですか?
- Q:就労継続支援A型はどんな人対象ですか?
Q:就労継続支援B型はどんな人が通うのですか?
A:一言でいうと、「働くことに何らかの難しさや不安を感じている方」が、ご自身のペースで通っています。
例えば、就労経験がなくて自信がない方、病気や障害で体調に波がある方、人間関係が苦手な方など、本当に様々な方が、社会参加への大切な一歩として利用されていますよ。
就労継続支援B型の概要については「就労継続支援B型とは?仕事内容から工賃、A型との違いも分かりやすく解説」で詳しく解説しておりますため、ご覧ください。
Q:B型就労支援の対象者は?
A:はい、国のルールでは、原則として「過去に働いた経験があるけれど、年齢や体力的に難しくなった方」や「50歳以上の方」などが対象とされています。
ただ、これはあくまで目安です。
一番大切なのは、医師などが「この方にはB型の支援が必要だ」と判断することなので、「自分は違うかも」と諦めずに、ぜひ一度お近くの相談窓口で尋ねてみてくださいね。
「障害福祉サービス受給者証」の取得でお困りの方は、私たちがお手伝いします。
「受給者証について」をご覧ください。
Q:就労支援B型とA型の違いは何ですか?
A:二つの違いを表にまとめてみました。
| 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
|---|---|---|
| 雇用契約 | あり | なし |
| 賃金 | 給料(最低賃金以上) | 工賃 |
| 働き方 | 契約に基づく(比較的安定的) | 自由度が高い(体調優先) |
一番大きな違いは、やはり「雇用契約」を結ぶかどうかです。
そのため、B型の方がより体調や個々のペースに合わせた柔軟な働き方が可能になっています。
A型とB型のさらに詳しい違いは「就労継続支援A型B型の違いがわからない方向け!給料や仕事内容を比較してどちらが向いているか判断できるポイントを解説」で解説しておりますため、ご覧ください。
Q:就労継続支援A型はどんな人対象ですか?
A:A型は、「障害や病気への配慮があれば、雇用契約を結んで継続的に働くことができる」と見込まれる方が対象となります。
B型で働く練習を重ねて自信をつけた方が、次のステップとしてA型事業所に移ったり、さらには一般企業への就職を目指したりする、というキャリアアップの道もたくさんありますよ。
まとめ:就労継続支援B型はどんな人でも社会への第一歩を踏み出せる場所
この記事を読んでくださったあなたは、ご自身やご家族の未来を真剣に考え、情報を集め、行動しようとしている、本当に素晴らしい方です。
その一歩を踏み出す勇気が、何よりも尊いものだと私は思います。
「もう少し詳しく話を聞いてみたいな」
「事業所の中を一度、見てみたいな」
もし、ほんの少しでもそう感じていただけたなら、その気持ちの熱が冷めないうちに、次の一歩に進んでみませんか?
私たち「岡BASE ピーシーラボ」は、愛知県岡崎市で、パソコンスキルに特化した就労継続支援B型事業所を運営しています。
私たちが目指しているのは、単なる「作業の場所」ではありません。
これからの時代に本当に価値を持つスキルを、一人ひとりのペースに合わせて基礎からじっくりと学び、自信を持って未来へ羽ばたくための「未来の自分を作る基地」です。
「パソコンなんて、ほとんど触ったことがない」
全く問題ありません。
大切なのは「やってみたい」という、あなたのその気持ちだけです。
まずは、あなたの今の不安や、将来やってみたいこと、どんな些細なことでも構いませんので、私たちに聞かせていただけませんか?
見学や個別相談にお越しいただいても、無理な勧誘などは一切ありませんので、ご安心ください。
下のボタンをクリックして、ぜひ一度「岡BASE ピーシーラボ」に遊びに来てください。
画面越しでは伝えきれない、事業所の温かい雰囲気と、未来への可能性を、肌で感じていただけるはずです。
あなたの「変わりたい」という勇気ある一歩を、私たちは心からお待ちしています。



