生活保護は仕事しながら受給が最強なの?損しない収入の仕組みを解説

生活保護は仕事しながら受給が最強なの?損しない収入の仕組みを解説 就労継続支援(A型・B型)

「生活保護を受けながら働くと、稼いだ分だけ保護費が減って損をするのではないか」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。結論からお伝えすると、それは誤解です。

生活保護には「勤労控除」という仕組みが用意されており、働いて得た収入の一部は確実に手元に残ります。つまり、働かないよりも働いた方が、総手取り額は増える制度になっているのです。

実際に、事業所の利用者さんからは「生活保護から少しずつ離れて自立したいけれど、今の作業が簡単すぎてスキルが身についているか不安」といった切実な声も聞かれます。

この記事では、福祉の現場で多くの方の就労をサポートしてきた責任者として、生活保護を受けながら働く仕組みを具体的な計算例とともに解説します。

ご自身の状況に合った働き方を見つけるヒントとして参考にしてください。

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羽柴太一

就労継続支援B型事業所 岡BASE 代表の羽柴です。保育士資格幼稚園教諭一種小学校教諭一種のバックグラウンドを持ち、教育・福祉の観点から利用者様一人ひとりの可能性を広げる支援を統括しています。また、社会教育主事として地域社会との連携を深めつつ、第二種電気工事士の技術を活かした実践的な作業指導や環境づくりも牽引。ソフト・ハード両面から、誰もが安心して活躍できる場所づくりに尽力しています。

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生活保護を受けながら働ける仕組み|制度の基本

生活保護を受けながら働くことに、うしろめたさを感じる必要はまったくありません。

むしろ、制度の基本を正しく理解することで、損をすることなく前向きに就労を目指すことができます。

ここでは、生活保護の目的から収入申告のルールまで、知っておくべき前提を整理します。

  • 生活保護は自立を促すための制度
  • 収入があっても受給を続けられる条件

生活保護は自立を促すための制度

生活保護法の目的は、生活に困窮する方への「最低限度の生活保障」と、その方の「自立を助長すること」の2つにあります。

生活保護を受けているからといって、働くことが禁止されているわけではありません。むしろ、就労を通じた経済的な自立や、社会参加による生活の安定を支援していくことが、この制度の本来の姿と言えます。

担当のケースワーカーが定期的に訪問し、生活状況を尋ねる中で就労指導を行うのはそのためです。体調に合わせてご自身のペースで働き始めることは、制度上も推奨されています。

収入があっても受給を続けられる条件

働き始めて収入を得たとしても、すぐに生活保護が打ち切られるわけではありません。

得られた収入が、国が定める「最低生活費」を下回っている限り、その差額が生活保護費として引き続き支給されます。

この最低生活費は、お住まいの地域(級地)や世帯の人数などによって異なるものです。また、収入として申告するものには給与だけでなく、各種手当や年金なども含まれます。

ポイント 詳細
支給の仕組み 収入が最低生活費を下回る場合、差額が支給される
最低生活費の基準 お住まいの地域(級地)、世帯人数、年齢等により変動
必須となる手続き 毎月の給与明細等を提出し、正確な収入申告を行うこと

注意すべき点として、少額であっても収入があった際は必ず毎月の給与明細などを提出し、収入申告を行う義務が生じます。

申告を怠り後から発覚すると不正受給となり、返還を求められる恐れがありますので、正しく申告して堂々と制度を活用しましょう。

生活保護の勤労控除|収入の一部が手元に残る理由

生活保護について最も多い誤解の一つが「働いた分だけ保護費が引かれてしまう」というお金の不安です。実際には「勤労控除」という制度があり、少なくとも一定額は手元に残る仕組みが設けられています。

ここでは具体的な控除の種類やシミュレーションをご紹介します。

  • 基礎控除で収入の一部が手元に残る
  • 特別控除と新規就労控除
  • 生活保護+B型工賃の手取りシミュレーション
  • いくら稼いだら廃止になるのか
  • 廃止後も安心できる就労自立給付金

基礎控除で収入の一部が手元に残る

基礎控除とは、仕事で得た収入のうち、一定の金額を手元に残すことができる基本的な控除です。

勤労収入には基礎控除があり、収入額に応じて一定額が控除されるため、働いて得た収入の一部は手元に残ります。

具体的な控除額は基礎控除額表に基づいて決まるため、担当のケースワーカーに確認してみましょう。

「稼いだ分がそのまま差し引かれる」というのは誤りで、実際には働くことで総手取り額(生活保護費+手元の収入)を増やしやすい仕組みになっているのです。

特別控除と新規就労控除

基礎控除に加えて、就労を後押しする控除も用意されています。

新たに継続性のある仕事に就き、一定の要件を満たす場合には、「新規就労控除」が就労開始から6か月間適用されます。

現行の実施要領では月額12,900円の控除が定められており、基礎控除や必要経費の実費控除とあわせて、手元に残る金額を増やしやすい仕組みがあります。

これらを組み合わせることで、より生活にゆとりを持たせながら働くことが可能になります。

生活保護+B型工賃の手取りシミュレーション

では、実際にどれくらい手取りが増えるのでしょうか。最低生活費が月額13万円の単身世帯と仮定して、いくつかの勤務パターンで保護費と手取り額を計算してみましょう。

毎月の収入(月収) 大まかな総手取り額(目安) 内訳のイメージ
0円(働かない) 130,000円 保護費13万円のみ
10,500円(B型で週2〜3日通所) 140,500円 保護費13万+工賃全額プラス
23,100円(B型で週5日通所) 145,000円〜148,000円 保護費(一部減額)+工賃
50,000円(アルバイト等) 150,000円前後 保護費(約10万)+バイト代

このように、基礎控除の働きにより、工賃などの収入の一部が手元に残る範囲で上乗せされるようなイメージです。

控除が正しく適用されることで、働かない場合に比べて総手取りを増やせる可能性が高まります。

実際の金額については世帯構成等により異なるため詳細な断言は避けますが、損をしないよう設計されています。

なお、就労継続支援B型の工賃の仕組みについては、「就労継続支援B型の工賃の平均はいくら?令和最新データで知るお金と事業所の選び方」で解説しておりますため、ぜひご覧ください。

いくら稼いだら廃止になるのか

「このまま働き続けて、いくら稼いだら生活保護が打ち切られるのだろう」と心配される方も少なくありません。

ですが、明確な金額の上限が一つに決まっているわけではないのでご安心ください。

生活保護が廃止されるのは、「収入が最低生活費を上回り、その状態が安定的・継続的に続くと判断された時」です。

一時的に収入が上回っただけでただちに打ち切られるわけではなく、自治体の判断や個別事情に応じて「保護の停止(支給を一時ストップし様子を見る状態)」などの対応が取られることもあります。

最低生活費の基準は、お住まいの地域(級地)だけでなく年齢や世帯人数、住宅扶助などの状況によって個別で大きく異なるため、担当のケースワーカーと相談しながら目標を決めていくと安心です。

廃止後も安心できる就労自立給付金

無事に収入が安定して生活保護を脱却できたとして、「いきなり保護費が支給されなくなり、全額自費で生活していくのは心配」という声をお聞きします。そこで頼りになるのが「就労自立給付金」です。

働きながら生活保護を受けていた方が完全に脱却する際、一括で支給される給付金です。

受給中に収入が保護費から差し引かれていた分(収入充当額)に応じて積み立てるような形で計算され、単身世帯では最大で10万円が給付されます。

脱却直後に発生する税金や社会保険料の支払いの備えとなり、新しい生活をスタートさせるための心強い仕組みとして機能してくれます。

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「計画書の書き方が不安…」
「自分に合った働き方って何だろう…」
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岡BASEでは、計画書サンプルのご提供から、
あなたの適性や希望に合わせた働き方のご相談まで、
障害福祉の専門スタッフがサポートします。
私たちが目指すのは、計画書を「完成させること」ではありません。
あなたが「納得して、次の一歩を踏み出すこと」です。
まずは「不安」や「疑問」を、私たちに聞かせてください。

生活保護を受けながら働ける仕事の選択肢

生活保護を受給しながら働くにあたり、ご自身の体調や目指すべきゴールに合わせて、無理のない段階的な働き方を選ぶことが重要です。

まずは負担の少ないところから始められる、代表的な働き方をご紹介します。

  • 就労継続支援B型事業所で工賃を得る
  • アルバイト・パートで働く
  • 就労移行支援から一般就労を目指す

就労継続支援B型事業所で工賃を得る

体力やメンタル面に不安があり、いきなり一般企業でフルタイムで働くことに負担を感じる方に最もおすすめなのが、就労継続支援B型事業所を利用した働き方です。

厳しいノルマなどがなく、週1日の午前中だけなど、ご自身の状況に合わせてペースを調整できる事業所がほとんどです。

厚生労働省が発表した最新のデータによると、令和5年度の就労継続支援B型の全国平均工賃は、月額で23,053円です。

参考:厚生労働省|令和5年度工賃(賃金)の実績について

前述の通り、控除の範囲内であればこの工賃の大半が手元に残るため、働くことのやりがいと経済的なゆとりを同時に得ることができます。

なお、基本的な制度の仕組み等については、「就労継続支援B型とは?仕事内容から工賃、A型との違いも分かりやすく解説」で解説しておりますため、ぜひご覧ください。

アルバイト・パートで働く

体調が安定しており、決まった時間に通勤や労働ができるのであれば、アルバイトやパートとして働くのも一つの手です。

週数日の短時間勤務から始められ、時給制で働いた時間に見合った収入を直接得られるのがメリットです。

ただし、少額であっても収入申告の義務は必ず発生しますので、毎月忘れずに給与明細を提出する手続きだけは徹底するようにしましょう。

就労移行支援から一般就労を目指す

B型事業所などで働くリズムや基礎スキルを整え、「次は一般企業の枠組みで働きたい」という目標ができた方に向けたステップが、就労移行支援です。

原則として最長2年間の利用期間が設けられており、その間に面接対策やビジネスマナー、専門的なスキルを学び、一般就労を目指します。

移行した方の多くが就職に結びついているデータもあり、将来の完全な自立を見据え、就活の具体的なサポートを受けたい方に適しています。

B型から一般就労を目指す具体的なステップ等については、「就労継続支援B型から一般就労できる?移行率と具体的な準備」で解説しておりますため、ご覧ください。

就労継続支援B型と生活保護の併用|利用料0円で始める働き方

生活保護を受給しながら就労継続支援B型を利用することは、制度的にも認められています。経済的な負担がなく社会参加の第一歩を踏み出せる点など、実際の活用例を交えながら詳しく解説します。

  • B型事業所の利用料は生活保護世帯なら0円
  • B型の工賃と勤労控除の具体的な計算例
  • B型事業所で得られるのは工賃だけではない
  • 作業内容で差がつく|スキルが身につくB型の選び方

B型事業所の利用料は生活保護世帯なら0円

多くのB型事業所に通う際、気になるのが「利用料」です。「通うだけでお金がかかってしまうのでは」と懸念される方もいるでしょう。

ですが、障害者総合支援法に基づく負担上限額の制度により、生活保護を受給している世帯は利用料が0円(全額免除)となります。

さらに事業所によっては、昼食が提供される場合も「食事提供体制加算」の対象となり、1食あたり220円程度などで負担を抑えて食べられる仕組みがあります。

送迎がある事業所を選べば交通費も抑えられるため、経済的な心配をすることなく安心して通い続けることが可能です。

B型の工賃と勤労控除の具体的な計算例

ここでおおよそのイメージを掴んでいただくために、工賃と勤労控除の具体的な計算例を見てみましょう。

  • 少額の工賃を得た時:基礎控除の範囲内であれば全額に近い金額がそのまま控除対象となり、生活保護費から減額されずに手元へプラスされるケースが多いです。
  • 一定額以上の工賃を得た時:一定額を超えた分も段階的な控除が適用されるため、結果として工賃の大部分を手元に残しながら、保護費と合わせて生活を組み立てることができます。

決して損をすることはなく、日々の少しの頑張りが確実にお金として反映されることがお分かりいただけるかと思います。

B型事業所で得られるのは工賃だけではない

B型事業所の目的は工賃を稼ぐことだけではありません。

決まった時間に通所することで生活リズムが自然と整い、職員や他の利用者の方と関わる中で社会とのつながりが生まれます。

与えられた役割を一つひとつこなすことで、「自分にもできる」という確かな自信が回復し、メンタルの安定にも大きく寄与します。

こうした金銭には代えがたい目に見えない価値こそが、将来の自立に向けた揺るぎない土台になっていくのです。

作業内容で差がつく|スキルが身につくB型の選び方

B型事業所で取り組む作業の幅は、事業所によって全く異なります。簡単な内職や軽作業を中心に行う場所もあれば、専門的なパソコンスキルや、社会に直結する手仕事を学べる事業所もあります。

「今の単純作業だと少し物足りない」「将来の一般就労に向けて、具体的なスキルを積みたい」と感じているのであれば、より実践的な作業に取り組める事業所を選ぶのが賢明です。

例えば、私たち岡BASE ピーシーラボは、パソコン専門店のPC堂を母体としており、実際の現場に近いパソコンの解体作業や部品分別、さらにはお客様にお届けするためのきめ細やかな品質管理や清掃作業などを経験できます。

こうした実践的な環境でスキルアップを図ることが、ご自身の今後の可能性を大きく広げる鍵となります。

生活保護から自立を目指すステップ

生活保護を受けながら働くことに少しずつ慣れてきたら、無理のない範囲で次の目標を描いてみるのも一つの道です。ここでは、ご自身のペースで一歩ずつ進むための道筋をご紹介します。

  • B型で土台を整え、次のステップへ進む流れ
  • 就労自立給付金を脱却後のセーフティネットにする

B型で土台を整え、次のステップへ進む流れ

自立への道のりは、一足飛びに企業就労を目指さなければならないわけではありません。

まずは就労継続支援B型で、決まった日数を通える「体力」と「生活リズム」、そして「基礎スキル」を整えます。

次に、雇用契約を結んで最低賃金以上の給与をもらいながら働く就労継続支援A型へ移行し、長時間働く実務経験を積むというステップもあります。

そして最終的に、一般企業の障害者雇用枠や一般枠での就労を目指すという流れです。職員のサポートを受けながら、確実にステップアップしていきましょう。

就労自立給付金を脱却後のセーフティネットにする

一般就労を果たし、収入が安定して生活保護から脱却する際、先に触れた「就労自立給付金」が非常に大きな助けとなります。

これまで保護費の支給額から算定されていた分が、「働きながら自動で積み立てられた貯蓄」のように手元へ入ってくるイメージです。

生活保護受給中は免除されていた税金や社会保険料の支払いが始まったり、家賃補助がなくなったりしても、この給付金があることで当面の経済的負担を吸収できます。

制度を正しく活用することで、「自立したら逆にお金に困るのではないか」という不安を和らげることが可能です。

まとめ|生活保護を受けながら働く第一歩を踏み出す

「生活保護を受けながら働くと損をする」というのは大きな誤解であり、勤労控除の仕組みによって、少なくとも一定額は収入として手元に入り総手取り額が増えやすい制度になっています。

いきなりアルバイトや一般就労へと飛び込むのが不安な場合は、利用料0円で経済的な自己負担なく始められる、就労継続支援B型事業所を活用するのが非常におすすめです。

体調を整えながら実践的なスキルを身につけ、就労自立給付金を活用して安心した自立を目指すことも十分に可能です。

私たち岡BASE ピーシーラボでも、働くことに不安を抱えている方の初めの一歩を全力でサポートいたします。まずは見学や無料の体験利用を通じて、実際の事業所の雰囲気を感じてみませんか。お気軽にご相談ください。